本屋さんをぶらぶら物色していたら、以前読んだ『旅屋おかえり』の続編が出ていました。
心に染みる旅絡みの本だったので、有無を言わずに購入。
そういえば、もうすぐTVで放映されるはず。
と思いきや、もう放映されてました。
TV放映を狙って新刊が出されたのでしょうが、本編を思い出す為にも早速読んでみました。
あらすじ
自らの旅番組でスポンサーの名前を間違えるという大チョンボをしてしまい、番組が打ち切り。
旅屋になった『おかえり』こと、売れないタレント丘えりか。
初めての依頼では、依頼主に充分満足出来る感動的な成果物を献上。
報酬もしっかりいただき、すっかり気を良くした所属事務所の鉄壁社長。
おかえりも旅屋の手応えを十二分に味わい、旅屋を続けていこうと決意。
新たな依頼を探していると、鉄壁社長が好きなビートルズの曲をバックに、丘の上で若者達に蹴られても蹴られても、転がり落ちてもまた丘の上に戻ってくる男性が映ったYouTube動画が。
その動画と共に依頼文があった。
さて、この依頼をおかえりは引き受けるのか。
心に引っかかったところ
『旅屋おかえり』の本編2作の間のお話。
おかえりや鉄壁社長が数ある依頼の中から、YouTube動画付きの依頼を選ぶ。
今の時代らしい依頼の仕方だ。
今回の舞台は北海道。
この本に同時に収録されている北海道への旅エッセー、『旅屋おかえり』の丘えりかの故郷、礼文島から東京へ旅立つきっかけとなった鉄壁社長との出会いが漫画で描かれている。
全編北海道尽くしの一冊だ。
著者の原田マハさんは「フーテンのマハ」と自認するほどの旅好き。
旅先の情景が手に取るように思い描けるのは、マハさんが前もって現地に訪れて取材をしている賜物なんだろう。
旅好きだからこそ、現地の様子をいい加減に描けない。
読者に一緒に旅気分を味わってほしいというの思いが伝わってくる。
今回のお話もおかえりの優しさ溢れる思いで、ホッとする着地点。
人は皆、色んな思いを抱えてる。
必ず、解決するものじゃないけど、マハさんは私達のこうなって欲しいと思う物語の結末を裏切らないでいてくれる。
現実から離れて、1人にしといて!旅も良いだろうが、結局、人との触れ合いが旅を感慨深いものにしてくれる。
そういう旅の方が、ずっと心の奥底に残るんだろうな。
ドラマでは、主人公おかえりを安藤サクラさん、鉄壁社長を武田鉄矢さん、のんのさんを美保純さんが演じていました。
正直、私が原作のイメージで描いていたのは、鉄壁社長を古田新太さん、のんのさんを山村紅葉さんと、とても濃いメンツでした。
でも主人公の丘えりかを底抜けに明るく演じていた安藤サクラさんが、凄く良かった。
いつもニコニコで依頼主に希望を与えて、観ているこちらも元気にさせてもらえました。
旅ドラマと言えばサスペンス。
でもこのドラマはサスペンスを観る時のように気負うこともなく、コメディータッチで純粋に楽しめました。
原作と変わっていて、視点が違うところも多かったけど、短い放映時間の中で、楽しく描かれていました。
四国編は、原作が良いです。
最後はウルウル泣けました、、、
是非読んでみて、心の洗濯をしてください。
心がささくれた時に、またこのドラマの続編が放映されると嬉しいな。
『旅屋おかえり』放送にあたって、著者の原田マハさんがNHKの朝イチに出演されていました。
でもお話しを聞いているうちに、作家になる前にキュレーターをされていたり、美術に関する執筆をされていたり、美術にとても造詣があるインテリな方でした。
かと言って、私達と同じように旅やグルメが大好きな面もお持ちになっていて、親近感が溢れました。
マハさんの旅の本を色々読んでみたいと思いつつ、全く興味が無い美術の本にもチャレンジしてみたいと思いました。
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