休暇村のある指宿からは、薩摩半島の先っぽ、長崎鼻がすぐ近く。
朝日の昇る長崎鼻を見に行こう!
旅の朝のお散歩コースは「薩摩先っぽ散歩」で決まり。
日の出に間に合うよう出発します。
念の為に前日に日の出が見たいのでと、玄関を開けておいてもらようロビーの方にお願いしました。
早朝のまだ暗い中、車で出発です。
道はもちろんガラガラ。
朝の爽やかな風を感じながら、長崎鼻まで車を走らせます。
長崎鼻には大きな駐車場がありません。
お土産屋さんの一角にある、わずかなスペースの指宿市営駐車場に車を停めて歩きました。
ひとっ子ひとりいず、ちょっとドキドキしながら灯台を目指します。
約5分ほど歩くと、視界が開けてきました。
何やら御神体。
龍宮神社がありました。
幼い時に読んだ浦島太郎のお話の竜宮城そのまんまの可愛い建物です。
龍宮神社は龍宮伝説発祥の地である長崎鼻に豊玉姫(乙姫様)を祀った神社です。
浦島太郎と乙姫様が出会った縁結びの神様として多くの方が参拝されています。
貝殻いっぱいの中に浦島太郎と亀。
浦島太郎の周りを男女それぞれの回り方で回って亀を撫でてお願いすると、願いが叶うそうです。
この長崎鼻の海岸一帯の砂浜には、今もたくさんのウミガメが産卵に訪れます。
ウミガメが産卵する場所は、近くに豊かな魚礁があり、亀にとってたくさんの餌があること、外敵が少なく安全で孵化した赤ちゃん亀が無事に海に戻れるような砂浜が広がっていること。
ウミガメが上陸する海岸は豊かな自然があるということで、漁師達は亀を大切にしてきました。
見えるは開聞岳。
頭にうっすらと雲が被っています。
ここは「自生ソテツの北限地」で国の特別天然記念物に指定されています。
南国感漂うソテツがたくさんありました。
ハートのオブジェ越しに見えるのは灯台。
最近はいたるところに映えるオブジェが 増えたことか。
こんなところにもいりますか?と思う場所にまで。
地球の端に来ました〜と言わんばかりの圧倒的な存在感。
関西から飛行機、車を走らせて、本州の端っこまでわずかの時間で到着。
日本は広いようで、狭いようで、、、
灯台の先に海に降りれるところがあって、早朝から釣り人が沢山いらっしゃいました。
朝日が昇ってくるのが見えます。
今日も良い1日でありますように、、、
灯台からの帰り道はお勉強の時間。
えっ?これは日本語ですか?
ほとんどわかりません。
ウケ狙いでしかない看板。
テレビでも紹介されています。
日本最南端の駅『西大山駅』
来ました!日本最南端!
感慨深いものがありました。
お花が可愛く咲いていて無人駅です。
ここからも開聞岳が。
先ほどの長崎鼻から見た円錐状の開聞岳の姿とは違って見えます。
美しいお姿。
時刻表を見たら、、、残念!少し前に電車が行ったばかりでした。
休暇村指宿に戻り、朝食タイム。
朝からのお散歩でお腹が空きました。
朝食後は敷地内の足湯で海を眺めながら、休暇村指宿をゆっくり堪能しました。
チェックアウト後に休暇村指宿からほど近い「知林ヶ島」に渡ることが出来る『ちりりんロード』に行ってみます。
『ちりりんロード』とは3月から10月にかけての大潮、中潮の干潮時に知林ヶ島に続く砂州が出現し、歩いて渡ることが出来ます。
砂州出現の時間に合わせてやってきました。
見事に砂州が出現。
知林ヶ島に向かって歩いて渡っている方が沢山いました。
すでに知林ヶ島に渡りついて、座ってこちらを眺めている方も見えます。
私も勇んで渡ってみましたが、水を含んだ重たい砂州を歩くのはかなりきつかった。
知林ヶ島まで渡りたかったのですが、予想外に時間がかかりそうなので断念。
途中、来た道を折り返して帰ろうとすると、ちりりんロードのゴミを拾ってらっしゃる方から「重ね合わせるとハートになる綺麗な貝があるよ」と教えていただきました。
探してみると、「これかな?」
後から調べると、合わせて重ねるのが正解で綺麗なハートになりました。
綺麗な貝が沢山落ちていました。
砂州は満潮になるとなくなり渡れなくなるので、砂州がなくなる時間を要チェックで島からは早めに戻って来ましょうと注意書きがありました。
時間限定の神秘的な道ではありますが、一歩間違うと島に取り残されて帰って来れなくなるという恐怖、、、
時間に気をつけて渡りましょう!
第二次世界大戦の知覧特攻出撃基地となった跡地にある『知覧平和会館』に近づいてくると、道の両サイドに遺族や有志から寄進された灯籠が並んでいました。
その景色は圧巻で、平和会館を訪れる前から鎮魂と平和への想いを祈らずにはいられませんでした。
戦闘機と戦地へ出向く特攻部員の像。
今では考えられないようなお粗末な飛行機で、若き戦士達がもう帰ることが出来ない祖国のために戦地へと出向く心情を思うと胸が締め付けられした。
会館内は特攻部員達の遺品が沢山展示されていました。
写真撮影は禁止です。
当時の粗末な紙に家族への想いが詰まった遺書が書かれているのを読んでいくと、この日本でほんの80年ほど前にこんな悲しい現実があったことを目の当たりにし、もう本当に戦争なんてあってはならないと痛感しました。
地元の方のふれあいや特攻隊員の食事のお世話をされた隊員達から母と慕われた食堂の鳥濱トメさんとのふれあいは、唯一の癒しだったと思われます。
写真で見る隊員達の笑顔が印象的でした。
隊員たちが特攻に出向く前夜に過ごした三角兵舎
国のために戦地へと出向いていくのに、最後の夜は林の中のなんて粗末な場所で過ごされたのだろうと悲しくなりました。
数々の展示を見て、この知覧の地は日本人全てが訪れて平和への想いを馳せるべきだと切に思いました。
私も今回ここ知覧を訪れ、戦争に巻き込まれた若者達、家族の無念な想いを知ることができ、平和な世の中であり続けることを願うばかりです。
空模様が怪しくなってきました。
城山公園から見る桜島は、昨日とはうってかわってどんよりとしています。
城山にある西南戦争で西郷隆盛が最後に銃弾に倒れるまで過ごしていた西郷隆盛洞窟
なんともひっそりとした鬱蒼とジメジメした林にあり、間近で見ると簡素で小さな穴でした。
坂本龍馬らと共に幕末に活躍した西郷隆盛がこのようなところで最後を迎えられたとは、悲しい結末です。
目をつぶるとこの城山で西南戦争の最後、殺伐とした志士たちの情景が目に浮かんでくるようでした。
鹿児島旅の最後は『仙巌園』
仙巌園は薩摩藩主、島津家の別邸です。
敷地内に「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」の構成資産の旧集成館があります。
入ってすぐに「鹿児島 世界文化遺産オリエンテーションセンター」があり、実物の世界遺産登録認定書が展示されていました。
おー!これが勉強していた世界遺産の認定書とは!
間近で見れて感慨もひとしお、、、
反射炉の模型がありました。
当時の最高の技術を結集した洗練された建物。
これが日本の発展の礎となったのですね。
外にはその反射炉跡
世界遺産の構成施設です。
鉄製大砲を作るために28代島津斉彬が築きました。
実物を見ず、オランダ書物を参考にして苦心して建設され、かつてはおよそ20mの高さの炉が建っていました。
欧米諸国に負けじと試行錯誤した姿は、今の日本人の勤勉さ、技術の高さを物語っているようです。
同じ敷地内に島津家の別邸があります。
こちらも世界文化遺産に登録されました。
桜島を眼前に建てられた立派なお屋敷は、幕末以降も国内外の賓客をおもてなしする迎賓館としても用いられました。
NHK大河ドラマ「せごどん」で使用された衣装。
ここ仙巌園でも撮影が行われたそうです。
皇太子時代に仙巌園を訪れたニコライ2世がロシア皇帝に即位した際、島津家が送った複製品の薩摩焼の壺。
白亜の陶器で美しく、絢爛豪華です。
お客様と面会するために用いられた「謁見の間」
日本独特の畳にテーブルという和洋折衷のもてなしのお部屋。
日本の工芸とコラボしたシャンデリアは厳かで品があります。
篤姫や勝海舟、当時のロシアの皇帝やイギリスの皇太子ともお会いになってます。
島津忠義の寝室。
お殿様の寝室を垣間見れるとは!
広々した居心地の良いお屋敷でゆっくりと眠られていそうですね。
お風呂やかわやも見ることが出来ました。
こちらは中庭。
今日はお天気が悪くて桜島ははっきり見えませんが、桜島も庭の一部として組み込むような雄大な大名庭は国の名勝に指定されています。
大きな灯籠もありました。
とにかくお庭が美しい!
こんなお庭を一日中眺めていると、心がゆったりと穏やかな気持ちになりそうです。
最後にしめのグルメ。
仙巌園名物の「両棒餅」
餅に2本の竹串をさしていて、武士が腰に大小2本の刀をさす姿からきていると伝わっています。
醤油、味噌、黒糖きな粉、ほんのり温かく、どれも柔らかくて美味しかったです。
仙巌園に隣接する登録有形文化財「旧斧ヶ野島津家金山工業事業所」をリノベーションしたスタバ。
仙巌園横というだけあった、レトロで可愛いお店です。
白をベースとした建物にスタバの緑のロゴが映えます。
仙巌園を出る頃にポツポツと雨が降り出しました。
鹿児島旅の最後を悲しんでいるような雨です。
空港に向かいながらずっと見えた桜島とお別れです。
桜島、さようなら!
また来るよ!
今回の鹿児島旅は指宿の砂蒸し風呂のほわっとした癒しの時間から、桜島の今も活動する活火山。
戦争の悲惨さを思い知った知覧特攻会館と西南戦争の西郷隆盛の最後の軌跡、仙巌園のお殿様の暮らしぶりや雄大なお庭の景色。
本当に盛り沢山でいっぱい考えさせられることもあり、鹿児島に訪れて本当に良かったと充実感いっぱいで帰路に着きました。
が、到着が遅い便だったので、無事に終電で帰れるか心配。
空港に着いたら駅まで猛ダッシュで、余韻に浸っている時間はなかったとさ!
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