『休暇村 瀬戸内東予』を出発、次の目的地、倉敷に向かいます。
瀬戸大橋は今まで渡ったことがありません。
明石海峡大橋、しまなみ街道は走破したので、瀬戸大橋を渡れば本州四国連絡橋制覇です。
瀬戸大橋のほぼ中間点、与島パーキングエリアに到着しました。
快晴の空に瀬戸大橋が美しく映えています。
展望台からは絶景のパノラマビュー。
瀬戸内海の向こう四国も綺麗に眺められます。
しまなみ海道や明石海峡大橋と違って、こちらは橋の下の部分に列車が走っています。
親切に列車の時刻表の表示がありました。
結構な本数の列車が走っています。
電車のガタゴトと言う音が瀬戸内海に向けて響き渡ります。
橋を渡る時列車は減速するので、カラフルなアンパンマン列車がしっかり見ることが出来て、子供さんも声を上げて喜んでいました。
初めて見る光景に私も感動しました。
ここでもお土産を物色。またまたWAONが使えました。
美味しそうなソフトクリーム。
昔から道の駅やサービスエリアにくると、なぜかソフトクリームが食べたくなります。
また導かれてしまいました。安納芋味です。
見るからにかなり濃厚、安納芋の味がしっかりとしていますが、甘過ぎることはありません。
こちらはレモン味のジェラート。
安納芋の濃い味とは違ってさっぱり。
レモンのお味がしっかりします。
安納芋ソフトと対照的で、こってりのお口直しに最適。
今回の旅で食べたソフトクリームやジェラートのクオリティーの高いことといったら!
最終目的地、倉敷に向かいます。
倉敷には何十年も前にちらっと訪れ、ほんの微かな印象しか残っていません。
唯一『大原美術館』に入館した記憶はあったのですが、あまりの人の多さと、当時はアートに全く興味が無かったこともあり、大したことは無かったという印象。
なんて恐れ多い感想を抱いていたことか。
そんな印象の『大原美術館』をまた訪れようと思ったのは、原田マハさんの『楽園のカンヴァス』を読んだから。
『楽園のカンヴァス』のオープニングでこの実在する『大原美術館』が登場するのです。
「アンリ・ルソー」の研究者だった早川織絵が、今はひっそりとこの『大原美術館』の監視員をしています。
そこから物語がスタート。
「アンリ・ルソー」の作品『夢』に酷似した絵にまつわるミステリー。
アートに全く興味がありませんでしたが、物語にグイグイと引き込まれました。
調べてみると「アンリ・ルソー」の作品が『大原美術館』にあるというじゃないですか!
「アンリ・ルソー」の作品だけでなく、あの「ピカソ」や「モネ」の作品、「エル・グレコ」の「受胎告知」まで!
こんな名だたる巨匠たちの実物の作品が一ヶ所で見れるなんて!是非行ってみようと計画。
『楽園のカンヴァス』の著者・原田マハさんが実在のこの『大原美術館』を物語の舞台にしたのは、実際に『大原美術館』に足を運んでもらい、アートを活気づけたいという思いからだそうです。
私もまんまとマハさんの思惑にのってしまいました。
きっかけは何であれ、今まで全く興味が無かった事に関心を寄せるのは人生を豊かにします。
ギリシャ神殿のような厳粛な建物。1930年創立当時の姿です。
身が引き締まり、背筋を正して入館します。
この『大原美術館』は倉敷紡績などを経営する大原孫三郎が1930年に創立。
孫三郎の経済支援で渡欧した洋画家の児島虎次郎が自ら制作に励む傍ら、西洋の優れた美術作品の収集と公開を孫三郎に提言します。
西洋美術だけでなく、古代エジプトや西アジアの美術品を虎次郎自らの感覚で収集した作品を公開する為に、虎次郎が亡くなった1929年の翌年に創立されました。
春休み前でまだコロナ禍ということもあり、空いていました。
以前訪れた時はすごく混んでいて、作品を見るのに一苦労。
今回はじっくり鑑賞できました。
薄暗い室内で至近距離で本物の作品を前に、今までにない感動がじわじわと染み渡ってきます。
入館してすぐに「シャヴァンヌ」の「幻想」がありました。
1866年に描かれたこの作品は、高さ 263㎝ ・ 横幅 148㎝ の大画面。
女流彫刻家・クロード・ヴィニョンの邸宅の壁を飾るために描かれた4連作のひとつ。
原田マハさんの「楽園のカンヴァス」のオープニングに出てくる作品です。
淡いブルーが「幻想」という名の作品と同じく幻想的です。
作品の意図はわかりませんが、女神が天馬ペガススを操っているように思われます。
傍らに花を摘み、冠を作る少年。
作品に近づいてみると、しっかりとした筆のタッチが眺められ、作者の息遣いが感じられて、時空へ遡って引き込まれそうです。
こんな感覚は初めてです。
絵から少し距離お置いた所に椅子があり、座ってじっくりと作品を眺めていらっしゃる方もいました。
私はアート鑑賞初心者、空いていることを良いことに、ここぞとばかりに数ある作品に近づいて拝見しました。
今回の目的「アンリ・ルソー」の作品は何処かいな?と探していると、、、、
ありました!一番大きな展示室の入ってすぐ右側に。
見過ごされやすい所に、ひっそりと展示されていました。
それも、「シャバンヌ」の幻想と違って、とても小さいサイズ。
『パリ郊外の眺め バリュー村』
ルソーが亡くなる前年に描かれた作品。
やっと、お目にかかれましたか!
ほのぼのとしたタッチ、色彩。
地面に影を描かず、モチーフの大きさが不自然なルソーの作風そのまま。
遠近感が不自然で、後ろのつみ藁がかなり大きい!
噂通りの作風にお目にかかれて、なんだかほっこりした気分になりました。
うーん、これを見てもルソーはなかなか評価されなかっただろうなとわかる気がする。
お次は大原美術館の目玉でもある「エル・グレコ」の『受胎告知』
これはエースのポジションらしく、一点のみのスペースで監視員付きの特別扱いで展示されていました。
これがかの有名な教科書にも載っている『受胎告知』なんだ!
神々しく輝いていらっしゃいました。
1590年頃から1603年ぐらいに書かれた作品。
マリア様が聖書を読んでいる時に天使ガブリエルがやってきて、神の子を身籠ったことを告げる。
私ごときが拝見して良いでしょうか?と粛々とした気持ちになりました。
今から500年以上前、日本では安土桃山・江戸時代の作品とは考えられないぐらい、陰影があり迫力がありました。
なんせ、本物ですから!!
空いているおかげで、こんな数々のすごい作品をゆっくりと直近で見ることが出来ました。
あー、この時期に来れて本当に良かった!
次元を超えて有名な作家さんの作品が、この一つの空間に存在し拝見出来るなんて、すごい奇跡に思います。
数々の作品のエネルギーに圧倒されて美術館を後にしました。
大原美術館前の「倉敷美観地区」をお散歩します。
江戸時代から続く、白壁の蔵屋敷が建ち並ぶ風情ある街並みです。
川沿いに色とりどりの和傘が並んでいました。
倉敷川を手漕ぎ舟が優雅に渡っていきます。
蔵や町屋を改装したレストラン、ショップが沢山あり、若者達が沢山訪れていました。
岡山で有名なデニムを扱うショップや、備前焼を扱うお店も。
旅に出たら、少しずつその土地の焼き物を購入しようと思い、備前焼のお店に入りましたが、、、
高い!!ちょっと簡単に買えるような値段ではなかったので断念、、、
お腹が空いたので、何か食べようと探していたら、町屋を改装したカレー屋三宅商店さんを発見。
三宅カレーとケーキのセット 1650円 を注文。
ルーは北海道のスープカレーほどサラサラしていなくて、素揚げの野菜がごろっといっぱい。
ルーはそんなに辛くもなく、こくがあって私が好きな味!野菜も美味しかった!
三宅商店のレトルトカレーが店内で売っていました。
買って帰れば良かった、、、
セットのレアチーズケーキは盛り付けも綺麗でクオリティーが高いです。
ガトーショコラも甘すぎず美味しかった!
倉敷名物、マスキングテープも沢山並んでいました。
倉敷美観地区は想像以上に広くて、ゆっくり時間をかけて見るのがおすすめです。
入り組んだ路地からの風景も風情があります。
こんな風情ある倉敷を最後に、今回の『しまなみ海道ふたたび旅』は終了しました。
しまなみ海道をふたたび訪れた感想
とにかくご飯が美味しかった!
道の駅、サービスエリアでチープな値段でも侮ることなかれ、地元料理が本当に美味しかった。
私のこの旅でのベスト・オブ・ご飯は、「来島海峡サービスエリア」でいただいた
『宇和島風鯛めし』
そのまま鯛のお刺身として食べても充分美味しい分厚い鯛の切り身を、贅沢に卵と出汁を絡めてご飯にのせていただきす。
これだけ食べにまた訪れたい気分!
「休暇村 瀬戸内東予」で食べた『姫スマ』の握り寿司も、口の中でとろっと溶けて美味しかった!
ご当地ソフトクリームやジェラートもクオリティーが高かった!
春のしまなみ海道旅、瀬戸内海のキラキラと綺麗な景色を眺めることが出来て、心も浄化されていくようでした。
今回もお天気にも恵まれ、楽しい旅となりました。
『旅の神様』ありがとうございました。
また次の旅もいい旅になりますように!!
コメント